水風呂の新トレンドは「冷やし方の設計」へ|海外で進む水風呂の進化と施設づくりのヒント

キューブサウナのパイオニアSAUNEA(サウネア)のWebサイトをご覧いただきありがとうございます。このブログでは、サウナをもっと楽しみたい方や、サウナを導入したい施設運営の方向けにサウナにまつわる様々な情報をお届けしていきます。
水風呂に関するサウナ施設の差別化といえば、「あそこは水風呂の温度が低くて最高!」など水風呂の温度設定や、「あそこの水風呂デザインが変わっているよね」といったデザインに関する話題がほとんどでした。しかし海外では、水風呂の冷たさを競うのではなく、安全で心地よく、続けやすい冷やし方を設計する方向へ関心が移っているようです。
サウナの新規導入やリニューアルを考える際、「水風呂をどうするか」は避けて通れないテーマです。本記事では、海外で広がるクーリング(冷却体験)の選択肢と、日本の宿泊施設・温浴施設が取り入れるための現実的な方法を紹介します。ぜひ最後までご覧ください。
海外で進む水風呂の見直し
低温を競う水風呂から、続けやすいクーリングへ
世界のウェルネス産業を調査するGlobal Wellness Institute(GWI)が、2026年5月に公開した記事で、サウナなど温浴の分野で「冷却」が熱と並ぶ中心的な要素として見直されていると紹介しています。そこでは、極端な低温の水風呂一辺倒から、安全・快適で続けやすいクーリングへと関心が移っているという流れが示されています。
冷却は「体験」として設計されるものに
ここで言われているのは、冷たさの強さではなく、冷やし方のバリエーションです。水風呂だけでなく、空間や演出を含めて冷却を一つの体験としてデザインする考え方が広がっています。サウナ室の熱さや、水風呂の冷たさだけで施設を選ぶ時代から、サウナを出た後の時間まで含めて「どう過ごせるか」が問われる時代へと変わりつつあるといえます。
水風呂以外の冷やし方:海外で広がる4つの選択肢
スノールーム
室内を低温に保ち、雪や氷に触れながら体を冷ます空間です。水に入るのが苦手な人でも利用しやすく、見た目にも分かりやすいインパクトもあります。一方で、低温室を作るための設備や電力が必要になるため、導入には費用と運用の両面から検討が必要です。
体験型シャワー
水温や水量の変化だけでなく、照明や香りなどの演出を組み合わせたシャワーです。比較的導入しやすいことに加え、雰囲気や香りの系統などで施設の個性を表現しやすいのではないでしょうか。
クナイプ療法式の歩行浴
すねほどの深さの冷水の中を、ゆっくり歩く入浴法です。全身を冷水に浸けないため、冷たさが苦手な人にも取り入れやすい入浴方法です。
※クナイプ療法とは、19世紀のドイツのカトリック神父セバスチャン・クナイプが提唱した、人間の自然治癒力を高める自然療法です。2015年にはユネスコ無形文化遺産に登録されました。水療法、植物療法、運動療法、食事療法、秩序療法(心身の調和)の5つの要素で心身の健康を整える考えです。
温冷を組み合わせた巡回設計
サウナ、冷却、休憩の各エリアを、回る順番まで含めて設計する考え方です。利用者が迷わず楽しめるように、動線そのものを体験として組み立てます。たとえば「サウナ→シャワー→水風呂→外気浴」の順に自然と足が向くよう配置すれば、初めての利用者でも流れに沿って過ごせます。新しい設備を足さなくても、既存設備の配置や案内を見直すだけで取り入れられる点も特徴です。
これは、日本のサウナで言われる「ととのう」体験を誰もができるように施設を設計するという考え方です。
客層を広げる設計と、サウナ好きを満足させる設計
冷たさが苦手な人・ライト層の入口をつくる
サウナと水風呂を交互に利用する入浴法を「温冷浴」と呼びますが、日本サウナ総研の調査では、温冷浴を知って実践している層は約30%(3人に1人)で、横ばいが続いています。温冷浴を知らない人に加え、健康に良いと知っていても水風呂が苦手という層が一定数いることも見逃せないポイントです。歩行浴やシャワーなど段階的な冷やし方を用意することは、水風呂に慣れていない人にも施設を選んでもらう入口となります。
サウナ好きは水風呂と外気浴の質を見ている
一方、同調査では月4回以上サウナを利用する「ヘビーサウナー」が約250万人と、前年比35%増えています。温冷浴に慣れた人ほど、水風呂の温度や広さ、外気浴スペースの居心地などに厳しい目を向けるようになっています。
出典:日本サウナ総研「サウナ利用実態調査」(2026年3月発表)
「選べる冷やし方」が差別化になる
サウナ好き層に向けたしっかり冷える水風呂を軸に、顧客の間口を広げるためのやさしい冷やし方も選べるようにすることで、ヘビー層からライト層まで幅広いニーズに対応することができます。これによって、リピート効果や水風呂を敬遠していた人がサウナ好きと一緒に訪れるきっかけとなる集客効果を期待することができます。
既存施設に導入していく方法
水風呂を軸に、段階をつくる
スノールームのような大型設備は、既存施設では導入のハードルが高い場合もあります。まずは水風呂を中心に、シャワーや足元から冷やせるスペースを組み合わせ、段階的に冷やせる動線をつくることから始めるのが現実的です。大規模施設でなくても、水風呂の脇にシャワーを設けるなど、限られたスペースで選択肢を増やすことができます。
外気浴スペースと外構をセットで設計する
外気浴スペースの心地よさは、サウナ利用者が施設を評価するポイントの一つです。サウナから水風呂、そして外気浴と別々に考えず、目隠しや床材、イスの配置まで含めて外構としてまとめて設計することで、統一感のある空間になります。
SAUNEAのトータルプロデュース
SAUNEAは、サウナ本体の製造に加え、水風呂などの関連設備の販売、エクステリア(外構工事)まで手掛けています。設計から施工まで一貫して対応することができるため、サウナ・水風呂・外気浴スペースを一つの空間として計画することができます。直営施設の「SAUNEA白州」「SAUNEA浦和」の運営で得たノウハウも、動線設計や施設の使い勝手のご提案に活かされています。
サウナにつきものの水風呂についても、外構工事を伴う大型の浴槽タイプのものから、1人用の浴槽タイプ、移動のできる簡易的なものまで幅広いタイプの水風呂とそれに合致するチラーなどの設備に対応しています。様々な事例がありますのでぜひお問い合わせください。
また施設の計画段階から行政への確認や折衝などにも対応していますのでサウナ施設に関連する面倒な作業もお任せください。
まとめ
水風呂のトレンドは、冷たさを競う方向から、誰もが心地よく続けられる「冷やし方の設計」へと広がっています。一方で日本のサウナ好きがすでに「ととのう」と名付けて楽しんでいる温冷浴からの外気浴という流れにも、名前がつけられることで改めて注目が集まっています。
サウナ文化が習慣として社会に定着したいま、改めてライト層の入口となるやさしい冷やし方と、サウナ好きが満足する水風呂と外気浴の質。この両者のニーズにうまく応えることが、これからの施設の差別化につながっていきます。
水風呂や外気浴スペースを含めたサウナ空間づくりをご検討中の事業者様は、SAUNEAにご相談ください。設計・施工から行政への申請まで、トータルでサポートいたします。



